内容証明作成のご相談を考えているあなたへ

 配偶者や不貞行為の相手方などに何かを要求したり請求したりする場合、内容証明郵便を送ります。内容が真実であることを証明するものではありませんが、いつ、だれがだれに、どういう内容の書面を送ったかを公的に証明してくれる郵便です。

 内容証明の一番の目的は、通知の事実を証明してもらうことです、時効や期限のあることには、不可欠な通知です。

 一般の人にとっては、内容証明の受領は特別な出来事なので、大きなインパクトがあります。そのため、証明の必要がない場合でも、内容証明を利用する場面は多いのです。

 内容証明のサンプルは簡単に手に入ります。単に事務的な要件の場合では、サンプルどおりの文面で十分ですが、男女の問題のように人間関係が絡むことでは、もう少し手を入れた方が効果があります。


1. 配偶者に離婚の請求

 離婚の請求を内容証明で行うのは、基本的には、別居している夫婦です。 相手方の離婚の同意が得られないないとき、とりあえず別居して、相応の時間が経ったところで離婚を求める通知を出します。
(相手方配偶者に離婚の原因がある場合は、時間の経過を待つ必要はありません。)

 この通知では、離婚の条件についてまで言及する場合もあれば、 離婚協議の場に出ることを求めるだけの場合もあります。状況をみて判断します。

 離婚を求める原因が、相手方にあるのか、自分にあるのか、両方にあるのか、どちらにもないのか、それによって書き方もかなり変わってきます。夫婦間で状況認識が異なることも珍しくありません。

 別居中の妻が夫に対して離婚を求めるタイミングは、多くは夫の定年退職時です。それまでは、夫の方から離婚を求めても妻が拒否することが結構あります。男性としては、複雑な思いでしょうが、妻に経済力がない場合は、いたしかたないことです。


2. 養育費の請求

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 離婚時に協議書を作り、公正証書まで作ったのに、義務を履行してくれない場合があります。この場合も、内容証明で通知します。

 公正証書で取り決めたことでも、金銭の支払い以外のことは、裁判なしでは強制執行できません。たとえば、不動産の譲渡などがこれにあたります。
通知を出して、相手の動向をみます。必要であれば裁判までいくかも知れません。

 強制執行認諾付きの金銭債権の場合、強制執行する前に内容証明で通知しなければならない義務はありません。でも、養育費の問題などお子さんが絡む場合は、いきなり強制執行におよばず、関係悪化を防ぐために、まずは通知してみる配慮も必要かと思います。

3. 元配偶者に財産分与・慰謝料の請求

 何も取り決めをせずに離婚してしまった場合でも、請求権がある間は、財産分与・慰謝料の請求ができます。そういうときも、内容証明で通知します。夫婦間清算が済むまでは、元配偶者の所在は押さえておきましょう。

 請求権は、財産分与は離婚後2年、慰謝料は知ったときから3年です。

4. 契約を守らない元配偶者への支払い請求

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 再婚すると、再婚相手と子供が養子(養女)縁組するケースが多いので、養育費支払いの義務が軽減、または、なくなります。相手が再婚してもそれを知らずに養育費を払い続けている人もいます。


 これも要注意事項です。こういうときも、発覚したら、まずは内容証明で減額請求をしましょう。
再婚したことを進んで知らせてくれて、養育費の支払い停止と引き換えに面会交流の打ち切りを打診されることもあります。その場合は、改めて協議が必要になります。

5. 別居中の配偶者に婚姻費用の請求

 夫婦が別居に至るとき、「今から別居します」と宣言して出ていく場合もありますが、外泊が徐々に増えて、いつの間にか別居になっていたというケースや、仕事その他正当な理由で家を出てそれっきり戻らないケースもあります。

 別居中でも夫婦には生活扶助義務があるので、婚姻費用を請求できます(同居義務もあります)。
居所がわかれば、内容証明を送って婚姻費用の支払いを求めましょう。

 居所がわからず通知できないこともあります。勤め人なら勤務先に問合せればわかりますが、連絡もなしに転職していることもあり得ます。探偵等に調査してもらうことも可能ですが、費用対効果を十分考慮してください。

6. 配偶者の不貞行為の相手方に慰謝料の請求

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 配偶者に不貞行為があったとき、離婚に至っても至らなくても、相手方に慰謝料の請求ができます。(既婚者であることを知らなかったなど、一定の条件がある場合は請求できません。)

 証拠をつかんだら、相手方に内容証明を送っても大丈夫です。明白な証拠が必要です。本人が認めればそれ以上の調査は要りません。この場合の要求は、第一には慰謝料の請求です。そのほか、謝罪の要求や関係を断つことの誓約の要求などが加わることもあります。

 第三者に内容証明を送る場合は、配偶者に送る場合以上に慎重を期すべきです。


7. 契約書の内容の変更を求めるとき(養育費の変更など)

 離婚協議書や公正証書で取り決めをした内容をどうしても果たせなくなる場合もあります。

 財産分与や慰謝料などの弁済金は、支払い総額が決まっているものなので、本来、事後の変更を要求することはあまりはずです。 しかし、養育費のような扶養関係の給付金の場合は、経済状況の変動や家族環境の変化によって、増額や減額を求める場合もあり得ます。

 その通知をするとき、内容証明を利用するケースも多いようです。 変更を求めるにしても、相手方がルール違反を犯しているときと、全く自己都合によるお願いのときでは、対応のしかたも変わってきます。 内容証明が逆効果になることもあるのでご注意ください。

 

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