養育費・面会交流のご相談を考えているあなたへ

 未成年のお子さんのいる人が離婚を検討する場合、まず考えなければならないのは親権です。
親権を争う場合は、行政書士には手に負えず、弁護士に相談したり、調停に持ち込むことになります。

 親権の次は、経済的な基盤の確保が大切で、養育費は非常に重要です。
養育費算定表等を参考にして折り合いをつけるのですが、お子さんが大人になるまで長期に渡るので、
最後まできっちり払ってもらえるか、不透明な部分が大きいのが現実です。

 また、別れて暮らす親と子供が会って交流する機会を定期的にもつことを面会交流といいます。
養育費と面会交流は「秤にかけるものではない」とされていますが、現実には、相互関係がある傾向が
見られます。


 養育費と面会交流は、かつては明文化されてませんでしたが、法改正により「協議離婚するときは、
養育費の分担と面会交流について取り決めるべし」ということが民法に明文化されました。
平成24年4月から施行されています。


1. 離婚前に話し合いで養育費を決める

 養育費を払うのは親の義務です。離婚を急いでいる時でも早まってはいけません。
後で決めようと言われても、離婚届出前にきちんと金額を決め、できれば公正証書を作ってください。

 「離婚したら生活が変わるから、いくら出せるか現段階ではわからない。」こう主張されることがありますが、 そこで納得してしまってはいけません。時間が経つほど相手をつかまえにくくなります。

 相手方が離婚を求めている場合は、養育費が決まるまで判を押さないと主張しやすいです。
自分から離婚を求めている場合でも、子供のことは別問題だと理解してもらわなければなりません。


2. 養育費を払ってくれない相手に対して養育費を請求する

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 養育費を払ってくれないケースには3通りあります。
 1)養育費に関して何も決めずに離婚した場合
 2)口約束で取り決めをした場合
 3)契約書を交わしているのに、支払いが滞っている場合

いずれの場合も、まずは内容証明を送って、支払いを求めましょう。

 強制執行認諾約款付の公正証書を作成していれば、裁判をしなくても差し押さえができます。
相手が給与所得者の場合は比較的取りやすいですが、自営業や住所不明の場合は、公正証書があっても
困難なケースもあり得ます。


 養育費支払いの契約書には、住所や連絡先の通知義務を入れてあるはずですが、これには罰則がないので守らない人もいます。

養育費の支払いが完了するまでは、相手の所在は押さえておくこと!要注意事項です。

3. 養育費の増額・減額請求をする

 養育費は、基本的に給付金なので、契約の時点で支払い総額が確定するものではありません。
長期間のことですから、事情の変動は十分あり得ます。また、算定表に沿って決めた金額でも、個々の事情によって生活費が異なりますから、実情に合わないこともあります。
そんなときは、養育費の増額・減額の請求ができます。この場合もまずは内容証明で通知しましょう。

 公正証書を作って支払い額が決まっていても、双方の合意があれば内容を変更できます。もし、合意が成立しなくても、裁判所に養育費増額・減額請求の申し立てができますので、あきらめないでください。

4. 再婚時に養育費の支払いの見直しを求める

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 再婚すると、再婚相手と子供が養子(養女)縁組するケースが多いので、養育費支払いの義務が軽減、または、なくなります。相手が再婚してもそれを知らずに養育費を払い続けている人もいます。


 これも要注意事項です。こういうときも、発覚したら、まずは内容証明で減額請求をしましょう。
再婚したことを進んで知らせてくれて、養育費と引き換えに面会交流の打ち切りを打診されることもあります。その場合は、改めて協議が必要になります。

 養育費支払い義務者が再婚したら、扶養家族が増えて約束通りの金額を払えなくことがあります。
「それは自分の都合だろう」と思っても無理ありませんが、本当に払えないなら見直しもしかたありません。締め上げすぎると、支払う意欲がなくなります。

 支払義務者の再婚も、離婚の直接原因となった相手との再婚なのか、あるいは、離婚した後で交際を始めた相手なのかで、対応が異なる傾向はあります。

5. 養育費の一括払い

 養育費は、基本的に給付金ですが、双方が一括払いで合意すればそれも可能です。
将来きちんと払ってもらえるかの不安を解消できますし、払う方にとっても後々楽です。

 「どちらも良い」に見えますが、一括払いの金額は、毎月払いをした場合に受け取る総額よりもやや少なめになりがちです。金利の高い頃なら、利息で実際の金額以上の恩恵がありましたが、今はそれは望めません。

 一括払いの問題点は、事情が大きく変わったときにどうするかということです。
どちらにとって有利か不利かは、その事情によって異なります。もし一括払いにするのなら、この点にも配慮が必要です。

6. 死亡時の養育費として生命保険を残す

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 学資保険や子供を死亡時受取人にした生命保険料を払い続ける約束をすることは珍しくありません。 養育費を払う人が亡くなってしまったら養育費は途絶えますから、そのための「保険」です。

 支払い義務者が再婚し、その夫婦間にも子供が生まれた場合は、将来問題になることがあります。それなりに遺産あればいいのですが、「先妻の子には保険金が入るけど、後妻の子には何もない」となる可能性もあります。

7. 養子・養女と養育費

 子連れで結婚する場合、子供と再婚相手が養子(養女)縁組をすることは実際によくあることです。
養子(養女)縁組している夫婦が離婚したら、養育費はどうなるでしょうか。

 養子(養女)縁組の解消をしない限り、養親には子供に対して扶養義務があります。
将来の相続問題も絡んでくるので、離婚と同時に離縁(縁組解消)するのが一般的かとは思います。

8. 離婚前に面会交流について取り決めをする

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 面会交流は、親だけでなく、子供にとっての権利でもあります。
離婚時に決めなくても後から請求の申し立てもできます。
ものの本によると、「できるだけ具体的に決めておけ」となっています。
事実、裁判所も、面会の頻度や方法を具体的に決めている場合は間接的な罰則等の判断を下します。

 でも、子供は成長していって、だんだん親の意図するとおりにはいかなくなります。 詳細に取り決めていても、いずれ守れなくなるときが来ます。細かく取り決めるなら、子供自身に判断能力が備わったときどう対応するかまで考慮することが必要です。

9. 面会交流をさせてくれない相手に面会を請求する

 離婚したら子供に全く会わせてもらえないと嘆いている親(主として父親)がたくさんいます。
面会交流を義務付けている国も多い中、日本は、まだこの問題に積極的に動いているとは言えません。
しかし、民法にも面会交流について明記されましたので、今後は変わってくると思います。

 面会交流を認める取り決めがされていて、拒否される特段の理由もないのに会わせてもらえない場合は、裁判所に申し立てを行うことができます。いきなり裁判でもいいですけど、この場合も、まずは内容証明で通知をするべきでしょう。



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