養育費

養育費

 親権者でない親も親であることに変わりありません。よって
当然のことながら、離婚後も、子に対して扶養義務があります。

 では、その金額は、どの程度が妥当かという問題になります。
養育費には、絶対的な基準はありません。話合いで決まればその金額で
よいのです。



 現在は、家庭裁判所の裁判官らが作成した「養育費算定表」が参考にされています。子の人数や双方の年収によって、養育費の金額が幅を持たせて示されています。 おおよそ、ひとりあたり月々4万~6万円といったところが多いです。
   養育費・婚姻費用算定表

 2016年に、日本弁護士連合会が、「養育費・婚姻費用の 新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言 」を行い、「養育費・婚姻費用新算定表」を発表しました。従来の算定表で問題であるとされてきた要素を補う形での算定方式を提唱しています。
   養育費・婚姻費用 新算定表


 同じ年収でも、住宅ローンがあるか、実家を頼ることができるか、学校が私立か国公立かなどで、
支払い能力や経済的余裕が違ってきますから、実際には、もっと幅があるように感じます。


 子供が年少である場合、養育費の支払いは長期間におよびます。 支払いの始期、金額、期限方法および支払い期間 (つまり、いつまで支払うのか)をきちんと決めて、公正証書を作成しましょう。

 支払いが滞ったときのために、執行認諾約款をお忘れなく。支払う側にとってはシビアかもしれませんが、養育費は、あくまで子供の養育のためのお金であって、別れた配偶者の生活費ではありません。

 離婚後も子供と良好な関係を保つためにも、養育費ははっきり決め、しっかり払いましょう。


 また、年月が経つにつれ、大幅に事情が変わる場合も想定されます。 よくあるのは、失業、再婚、事故・病気などです。大学に進学するか否かなども問題になってくるでしょう。

 過去の清算ではなく、将来のことですので、想定外のことが起きる可能性は否定できません。
「そういう場合は養育費の増減の請求ができる」という一文を入れておきたいですね。


 


相手方が再婚した場合

 母親が再婚しても、養育費の支払義務が 免除されるわけではないので注意してください。親としての義務が当然あります。


 再婚相手と養子縁組をすると、再婚相手にも子に対する扶助義務が発生します。養育費をどうするか協議で決まらない場合は裁判所が決めることになっています。

 裁判所の判断では、原則は、実父より養父の義務が優先とされます。


 養育費の支払い者が再婚することもあります。扶養家族が増えた場合など、養育費の金額の見直しが必要になってくることも考えられます。