和解離婚
離婚訴訟まで発展したとしても、判決でなく、和解による離婚もできます。2003年、人事訴訟法が制定され、「和解離婚」「認諾離婚」という、新しい離婚の方法ができました。
それまでにも、和解による離婚はありました。裁判官が、訴訟の途中で和解の勧告を行い、双方が合意すれば、それで裁判が終了し、和解調書が作成されました。但し、この和解は、「和解により、協議離婚をするという合意が成立した。」という扱いになっており、協議離婚と同様に離婚届を役所に提出したときに離婚が成立するものでした。
形式的には協議離婚だったわけです。
人事訴訟法で、「和解離婚」という制度が創設されました。
訴訟の途中で和解が成ったときは、和解調書に合意内容が記載されて和解離婚が成立します。この段階で法的に離婚が成立するのです。
和解離婚における役所への届け出は、報告的なもので、協議離婚のような創設的届出とは異なります。
かつての和解による離婚は、あくまで協議離婚だったので、和解後、一方が「離婚届不受理申出」を出すこともあり、そうなると、離婚届は受理されませんので、それまでの調停・裁判が徒労に終わってしまいかねませんでした。
新設された和解離婚では、和解の成立が離婚の成立になりますから、こういう危険性はなくなりました。
裁判までいったとしても、後々のことを考えると、和解する余地があるのなら、和解離婚の道を選択した方が望ましいと思われます。特に、お子さんがいる場合は、その後も関係が続くので、なるべくわだかまりが少ない形で別れることができれば、それが上策でしょう。
和解成立時には、10日以内に「和解調書の謄本」を添えて、市区町村役場に離婚届を提出します。
認諾離婚
もうひとつ、和解離婚と同時期に定められた離婚の方法に「認諾離婚」があります。
これは、裁判で訴えられている側が、離婚の請求を認めることにより成立するものです。
認諾離婚のときは、10日以内に「認諾調書の謄本」を添えて、市区町村役場に離婚届を提出します。