裁判離婚

裁判離婚

 ここまでのいずれの方法でも離婚が成立しなかったときは、最後の手段として、裁判になります。
裁判による離婚は、離婚件数の1%足らずです。離婚訴訟を提起するときは、「訴状」を家庭裁判所に提出します。 ここまできたら、やはり、弁護士に依頼するべきです。ある程度の時間と費用がかかること、そして、法廷でプライバシーを明らかにすること、 証言により相手と対立することを覚悟しなければなりません。

 裁判上の離婚をするには、理由が必要です。次のいずれかに該当しなければなりません。

  • 配偶者に不貞行為があったとき  
  • 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • その他婚姻を継続し難い重大な自由があるとき

 「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、たとえば、
 ・ 極端な浪費癖がある
 ・ 宗教にのめり込んで家庭を顧みない
 ・ 暴力を振るう
などが挙げられます。

 相手に離婚原因となるような行為がある場合は、証拠をとっておきましょう。慰謝料の額にも影響してきます。 (相手に原因があるといっても、生死不明や強度の精神病などのように、本人の責任でない場合は、慰謝料の請求はできません。)


 かつては、不貞をしたような有責配偶者側からは、離婚請求は認められないと解されていましたが、現在は、より破綻主義に傾いており、 一定の条件を満たしている場合は、有責配偶者からの離婚請求であっても認められることがあるようになってきています。

 しかし、 この条件は結構厳しいので、有責配偶者から簡単に離婚を言い出せるようになったと解釈するべきではありません。

 判決が出るまでには、半年から1年かかるものと覚悟しましょう。判決に不服があれば、高等裁判所に控訴、さらには、最高裁判所に上告できます。


 判決が確定したら、10日以内に「判決書の謄本」と「判決確定証明書」を添えて、市区町村役場に離婚届を提出します。